【書籍】ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術 【レビュー】

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ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術 岡田尊司 (著)(kindle)

「うつの患者は百万人以上いるが、実はその多くは「適応障害」である。」
という著者のメッセージが印象的な本書。個人的には今自分が欲しかった内容と一致していて、結論から言うと良書と思います。

まず自分自身が精神的におかしいと思った際に「一体自分はどういう状況なんだろう?精神的なものは間違いないけど、色々病気名がありすぎてよくわからない」と考える方は自分も含めて多いのではないかと思います。

さらに「どうも知り合いがおかしい、何かの病気や特質をもっているのでは?」という気持ち、よくわかります!

そういった方たちにとても向いている本だなというのがおおまかな印象です。

具体的にこの本を読むとどんなことがわかるのかまとめてみますと・・・

1.ストレスのもたらすものがわかる
2.適応障害についてわかる
3.うつ病・発達特性・双極性障害・ADHD・学習障害・アスペルガー症候群などの違いがわかる
4.自分の適性や生きていく上での方向性のヒントを得ることができるかも
5.ストレスフルな社会で生きていく上で考えていくといいかがわかる

ストレスとは何か?
様々な場面で我々はストレスを抱えることになります。
さらに昔よりもスピードやマルチタスクなどを求められ、時間を制約されることも多いこの時代はストレスといかに付き合っていくかが人生を豊かに健康に過ごすことができるかが決まるといっても過言ではないのではないかと思います。
まずはストレスがもたらす効果を知っておくのはその一歩として大切です。

自分もそうでしたが、うつ病と他の病気、そして適応障害、何が違うのかがさっぱりわからなかったんですよね。この内容を読んで、違いがあるのがわかりました。

「適応障害」とは何か?
それは簡単に言うと”環境になじめないことによって生じる心のトラブル”で”
そしてそれはストレスが許容範囲を超え、限界を突破してしまったときに最も身近で頻度の高いもの”と記しています。

症状の重さは、適応障害 < うつ病 になります。
ただ昨今過剰にうつ病やメンタルについての情報が蔓延してしまっているため、休めばすぐに治るレベルの適応障害でも医者に行ってうつ病や双極性障害と診断されてしまって、事態を長引かせてしまったり、悪化させてしまうケースがあることが書かれているのは正直、心の中に普段から持っていた「精神科や心療内科やメンタルヘルスは怖い」ところの根拠にもなっているのかなと合点がいきました。素人が勝手に判断して行動することの怖さとともに精神的な疾患はあまりにも複雑かつ多様性があるので医者でもなかなか診断するのは困難であることから来る問題も浮き彫りになっています。

うつ病、精神疾患や発達障害などの特徴
よく挙げられることが多い病気などの説明がしっかり述べられており、ぱっと見では特定が難しいと感じるレベルであるとわかると思います。

上記の内容から、自分は「適応障害」からの「うつ病」という流れであると言えそうです。
ただ個人的には休職をして数日で辞めることを決めてしまったので早まったと言えなくもないのですが、復帰したとしても改善する見込みがなかったのと心身ともに疲弊して完全にコントロール不可の状態異常ステータスだったので、「もはやこれまで!」と思ったんですよね。自分が弱いんじゃないか?と責める日々もありましたが、回復傾向にある今では正しい判断であったと思っています。

この本の大きな魅力の1つは、様々な症状から自分がどういう病気の可能性があるのかのアタリをつけることができる点です。

自分の傾向やタイプを把握する
ここまでの内容で自分がそういう流れでうつ病にわかりましたが、じゃあどう予防したらいいのか?自分がうつ病になった要素は何だったのか?それがわからなければ回復したとしてもまた再発してしまう恐れが非常に高いです。

この本のもうひとつの大きな魅力は、自分がどういったタイプや傾向があり、精神的な弾性(レジリアンス・立ち直る力の強さ)について把握することができる点です。
本書では下記のチェックやタイプの説明やその特徴やどうしたらよいのかという点について述べています。
・生きがい度チェック(PILテストの一部)
・パーソナリティ・タイプ
・適応力チェック

・生きがい度チェックは、適応力の高さを探ることができます。

・パーソナリティ・タイプは、自分の傾向・特徴を症状などから探って知ることで、今後どう意識していけばいいか、どこを改善していけばいいかのポイントなどを確認したうえで戦略を練ることができるようになります。

・適応力チェックは、ストレスや感情・取り組む姿勢や周りの環境など7つのチェックができます。

ちなみに自分は以下のような結果になりました。
生きがい度:58/70 適応力高
パーソナリティ・タイプ:やや回避性傾向、やや強迫性(仕事では強迫性は強い)
適応力:ややポジティブ、完璧主義強め、固執性(否定傾向)かなり強い、過敏性強い、共感性かなり強い、気持ちのコントロールどちらともいえない、安心できる要素(安全基地)がある

自身で認識しているラインに近いので、なかなか納得のいく結果になってるなと。実際に心療内科で似たようなテストをしてるので、このあたりを診断前に探っているのかもしれませんね。そういう意味では自分で気軽にできるのは大きいかも。テストはお金が結構かかりましたし。結果教えてくれませんでしたから。

本書の最後には、「凹まないための思考方法」という形で締められています。
どちらかというと自己啓発本みたいなオチになっているので、そのあたりに慣れているかどうかで腹に落ちるかどうかが決まりそうな気もしますね。ある意味自分で色々考えることに苦がない人でないと結局どうすればいいのかわからないという感想になると思います。

結論ですが、この本をおすすめできる方は以下のような人かなと思います。
1.適応障害やうつ病もしくは似たような症状について知りたい
2.自分がストレス耐性や傾向を把握したい
3.ストレスとうまく付き合うヒントが欲しい
4.ボヤっとでも精神的な不調の原因を把握したい
5.心療内科や精神科の先生の診断に違和感がある人

ただしこの本は、自己否定が強い状況の場合は序盤を読むと自分を責めてしまう可能性があるので注意してください。(自分がそうだった)それを過ぎて読んでいけば、スムーズにいくのですが・・・

自分にとっては、先述の通りに自分のタイプや傾向が分析できたこと、適応障害とうつ病の違い、その他の病気についても知りたかったので非常に有益でした。実際にこのあたりの知識を得てから、心療内科の先生と話をするのも楽になりました。実際に短い時間で診断をするにはあまりにも複雑すぎて研究もまだ途上であることがわかるのも大きいですね。

個人的には知り合いや今回の鬱の原因となった人物も実はこのあたりに問題を抱えていたのではないか、ではどうすれば良かったのか?ということを考える機会を得たのも大きかったです。

精神的な不調や病気、ストレスに対する基本的な知識を得るには素晴らしい良書であると自分は思いますし、今まで述べたパターンに当てはまる方や知り合いが不調になった場合にはぜひ読むことをおすすめしたい本ですね。

満足度:★★★★★


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