この本を手に取った理由は?怪しくない?
最近ネットでよく悪い意味で話題になるある界隈は宗教的だなと感じていたので、じゃあ人はなぜ信仰という行為をするのかという疑問が強くなったからです。タイトルで若干引きますが、著者は狙ってつけているので怪しさははっきり言って薄いです。(微妙に期待していた面もありましたが)
結局どんな本なのか
著者が読者を新たな新興宗教を作る教祖希望者であることを前提として、どういう風にすればその作り上げる宗教を反映させていけるかを順序立ててトレーナーのように教えていくスタイルです。
形式としては、現存する宗教の発端や神や創始者の存在や運営などの方法に触れて、「この宗教は〇〇という問題をこうやって解決しているから××という形にすればよいのです。そういうものです、人間なんてものは」という軽く言いながらも説得力を高める手法をとっています。
予想以上に文章がチャラ男のように軽いのでお茶らけているかと思えば、そうでもないところが特徴です。
読む前に注意すべきこと
何らかの宗教に関わっている方は読まない方が精神的にもよろしいかと。
それは前述の通り、自分が信じている宗教を茶化されたりするのは気分が良くないでしょう。自らわかっている道を歩く必要はありません。
読んだ感想
人間が何かを信じたい、信じてしまえばこうなりやすい、教祖はどうしてこうなりやすいのか、新興宗教が怪しさ全開になりやすいのはなぜかという疑問には一定の説得力があります。ですので自分のように無宗教で、なんで宗教や人をカリスマのように祭ってあがめようとするのかよくわからない人にとっては”宗教”というものをざっくりお手軽に知るにはいい本だなと。
人が他人に選択をゆだねるのはなぜか?という問いにも答えているので、地味に自己啓発的な面もありますね。
また著者の視点や情報の切り取り方は意外性もあり、独特のいい回しなども含めて面白いですね。ただ皮肉たっぷりなので受け付けにくい人もいるだろうなと感じる書き方をしているのが印象的です。そういう意味では人を選びます。
満足度
★★★★☆(5点満点中4.5点)
自分が欲しいと思ったレベル以上に納得感があり、読後感も悪くないので大満足です。ただ本当に教祖になりたい人には物足りないでしょう。
宗教というものがまったくわからない、何も知らないけれどうさんくさいと思っている方には、視点が広がるのではないかと思います。何事も知ってから判断しても悪くないと思いますし。
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