心療内科医に行って後悔しないために -後編-

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前回の記事のご紹介

前回は心療内科に行く前のポイントについて書きました。

心療内科医に行って後悔しないために -前編-
最初に 「あなたはラッキーだね、いい先生に最初からめぐりあえて」 わたしは心療内科や精神科・メンタルクリニックなどに通っている、もしくは通っていた人ほぼ全員にこんな言葉を言われます。 ネットでもどちらかというと心療内科や精神科について否定的...

今回のお話について

今回は心療内科で重要と思われる医師、そして自分との関係性などについて書いてみようと思います。

くれぐれも注意しておきたいのは、あくまで自分の過去の経験や知り合いの成功談、失敗談などを基に考えた内容となります。万人向けというわけではありませんので、自分と今回の記事が合っているかどうかはご自身でご判断ください。

すぐに治す魔法はない

残念ながら、精神的な疾患を一瞬で治すような魔法のようなものは、少なくとも一般的な心療内科ではないと思ってください。(適応障害であれば、環境を変えたり、問題となるものを取り除くだけで解消される可能性はありますが・・・)

それゆえに治療は短くても半年から1年ほどの長期戦になります。

また診断する材料となる症状もその時点では出ていないとか、別の新しい症状が出たり、薬が合っていなかったり、そういうことも多々起こります。ですのでその状態で最善を選びつつ、判断して治療していく形になります。

そういうことをこの医師とならなんとかなるかなという気持ちになれるかというのがポイントになります。

そこで重要なのは、その医師が信用できるかどうかということです。

その医師は信用できるか

自分が信用できるいい医師と判断するポイントは以下の5つです。

  1. 患者の不安を察知できる
  2. いい意味で距離感がある
  3. 患者の質問にしっかり答える
  4. 危険なことは危険と伝えてくれる
  5. セカンドオピニオンを推奨している

1.患者の不安を察知できる

医師からの話を聞いていて「え?」と思うことがあります。そんな時に「何が不安ですか?」「何がわからないですか?」と尋ねてくれる医師は患者を安心させることに心を砕いているので、何か相談するときもしっかりと聞いてくれる可能性が高いです。

2.いい意味で距離感がある

どうしても精神的に弱っていると人に依存してしまいがちです。ですが治療においては依存しているだけでは結局回復は進まないと考えています自分の最初も冷たいと感じましたが、第三者的に俯瞰して情報を確認して冷静に診断してもらうには、結果としてこのくらいの距離感は必要だと思いました。

3.患者の質問にしっかり答える

素人ながら心配になって自分で本やネットで調べたり、症状などで疑問になることがあります。そんな時には医師に質問しましょう。それに真摯に答えてくれない場合は患者のことをあまり見ていないと感じます。

実際に自分の経験談をお話します。(少し長くなりますが・・・)

過去にかかりつけではない歯医者で健康診断(かかりつけの歯科は指定外だったので)に行った際に不可解な診断を受けました。

その時に自分は「正直その診断は考えにくい。1か月前にかかりつけの歯医者ではそのような話は出ていません。もう少し詳しく説明してほしい」と訴えたところ、「時間がない」とかいう理由で説明を拒否され、「このまま放っておくと悪くなるから通院した方がいい」とまで言う始末

話にならないと思った自分は診断票を受け取り、その足でかかりつけの歯医者に連絡して数時間後に予約を入れて、その診断が正しいのかどうかについて調べてもらいました。

結果は「何でこれをこのように診断したかさっぱりわからない」というもの。しかも複数人の医師と歯科衛生士の方に見てもらっての再診断。

それ以降自分にとって信用できない医師のひとつの目安になっています。

4.危険なことは危険と伝えてくれる

かかりつけの医師共通ですね。

リスクの高い作業や薬についてはしっかりと説明をしてくれます。そして患者に危険性を説明したうえで選択を促す形。そこまで説明を受ければ納得がいきますし、自分で選択をしたことで責任も生まれます。

5.セカンドオピニオンを推奨している

知り合いと親戚の手術前の説明や診断で、いいなと思った医師に共通した部分です。「不満や不安があれば、セカンドオピニオンをしていいですよ」というのを医師から言ってくれるんです。実際に行って問題がないということを確認してから、元の医師の元でどちらも厳しい手術をしたものの成功しました。深刻であれば深刻であるほど、こういう姿勢を持つ医師は信用できるなと感じることが多かったです。

報告と方針

医師にとって精神疾患を治す手がかりは患者の日頃の症状や波などの特徴、トリガー、きつさ、前回から変化があったこと、回復具合などだと考えます。

診療時の雰囲気などでも少々の判断材料にはなると思いますが、事実をたんたんと伝える方がいいと思っています。

自分はそのため事実や以前と比べてどうなのかを日頃からメモしています。

感情的なものや少しでも良い状態であるように偽りの情報を伝えるのはNGです。

余計な情報は誤診につながり、見当違いの治療をされて大変なことになる恐れもあります。薬に関しても症状によって大きく異なります。

逆にどのようなことに気を付けていいかを医師に確認してもいいかもしれません。

以前と比べての評価もできるだけ何%とか半分くらいとか目安を伝えるように、自分はしています。その割合が医師と共有できていると今後についても相談しやすいです。場合によっては医師に聞いて、自分の回復度合いのイメージと一致するかチェックしたりもしています。

また薬の合う合わないについても「こうだったんですが、こういうことでしょうか?」というような聞き方をします。またその薬についてもう少し説明してほしいということも伝えます。それが自分の感覚とずれている場合は少し違和感があるということを伝えています。

また医師も人間です。間違いやミスもあります。そして当然疲れも感じます。なので自分は疲労が少ない時間を狙って予約を入れています。あくまで正しい判断をしてもらう可能性を高められる一要素でしかないですが。

心療内科医との関係性

あくまで精神疾患から回復する主役は自分であるという意識が大切だと考えています。

治すのはあくまで自分

医師やカウンセラーはあくまで知識や経験からそのサポートをしてくれるパートナーという認識で接しています。上とか下とかの関係ではないです。

正しい情報(自分に起きている症状など)がわかるのは自分だけですし、そこから判断できるのはプロのみ。

もちろん自分である程度調べたり、病気について学ぶ必要はあります。そうしないと医師の話を正しくとらえられないことも起こりえるからです。

ただ自分の状態がそれを実行できない場合は無理せず、まずは治したいところや困っている点をまずはしっかり伝えることを優先してください。

それゆえに患者である自分は医師との約束も守ります。

勝手な判断をして行動することはしません。それは医師との信頼関係にも影響を与えますし、計画が大幅に狂う可能性があるからです。

まずは相談。それに応じてもらえないようなら、医師の変更も検討する。

とにかく患者と医師の信頼関係が確立しないと最適な治療を見つけることはできないし、進めることもできないと考えています。

薬との関係

薬を飲めば治ると考える人がけっこういます。

でも自分は薬に関してもあくまで補佐的な存在ととらえています。本当につらい時に動けなくなっている状態を緩和する役目。自分は薬だけで治すという気持ちは最初からないです。

薬を飲んでいる自分はしょせんそれで保たれているだけ、とか、薬がなくてもたぶん(根拠なし)大丈夫という判断を勝手にしてしまう気持ちはわかります。

その誘惑に自分も囚われたことがありますから・・・。

ですが断薬や減薬を焦って勝手にやってしまって不要な離脱症状や副作用に苦しんでいる多くの人がいるのも知っています。

精神疾患に作用する効果は脳などに深く影響をもたらすものであることが多く、依存性や副作用がきついのは推測がつきます。

ですから自分は勝手な判断で薬に関して行動することはしません。だって幻覚症状とか怖いですもん・・・。(睡眠導入薬を服用していて似た症状は出たことがあります)

ただし薬が今の状態に適しているのかというのは別の問題です。心療当時は目的に合っていたけれど、回復していくにしたがって、量や種類が合わなくなってくることもあります。もしそれを感じたら医師に相談して話し合いで方針を決めています。

最後に

簡単にまとめると以下のようになります。

  • あなたがまず望んでいることを明確にする
  • 医師が信頼できるかを見極める
  • 薬だけで治すイメージは捨てる
  • 治すのはあくまで自分

あくまで現在の自分が行きついた考えですが、少しでもあなたの参考になれば幸いです。あなたの病気が少しでも今より良くなることを祈っています。無理せず慌てず回復を目指していきましょう。

以前心療内科を選ぶポイントについて場所や意識などについて書きましたので、こちらも合わせて読んでいただけると嬉しいです。

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